2017年10月3日火曜日

アサルトライフルを作る その5

レンダリングが終わったら、少しでも作品の魅力を増すため、
Photoshopで加工します。

生レンダー画像がコレです。


まず感じたのが、影が弱く、地面が単調でつまらないな、でした。
なので、地面の陰影を強調することにします。

背景に板ポリが敷いてあるので、銃のアルファはありません。

実は銃だけのアルファを取る方法もありますが、
renderOutputで出したSurface IDで代用します。

アッパーフレームと地面の色がそっくりですが、
色域指定の許容値を0でやれば輪郭を取れます。



ただ、ぴったりとはいかなかったので、
選択範囲を1ピクセル拡張しました。

この選択範囲をマスクとしたグループを作成してから、
トーンカーブを放り込みます。


 次に、地面の単調さを解消するために、
地面の画像をグループに放り込みます。


 全体の調整に入ります。
レベル補正を使用して明るさを強めます。



最後にトーンカーブを使用して画像全体を締めて完成です。


 


2017年10月2日月曜日

アサルトライフルを作る その4

テクスチャを作成したら、ライティング、質感調整に入ります。

まずは質感調整用にライトシーンを作成します。


MODOのContentに入っている環境から好みのライトを選びます。

それから板ライトを作成して斜めから当てます。
今回は強度を4に設定しました。

ライトシーン作成が終わったら、質感の設定に入ります。

ホロサイトを一例に説明します。

まず、ホロサイトのマテリアルグループを作成します。

そしてアイテムのタグをホロサイトのアイテムグループに設定します。
これで、このマテリアルグループはホロサイトのアイテムグループ
にのみ影響するようになります。



それからホロサイトの質感を細かく分けます。

上から順に

・レンズ
・ゴム
・鉄
・黒鉄(ビスなど)
・プラスチック
・パーカー(本体)

MODOはマテリアルでスムージング角度やエッジ丸め幅を
設定するので、細かく分けます。

 それからマップを読み込みます。
レンズ以外のマテリアルは共通マップなので、下図の位置に
マップを配置します。


これでレンズ以外のマテリアルにマップがアサインされたことになります。

読み込む際のガンマ設定ですが、基本は

Albedo       1/2.2=0.4546   DuffuseColorとして
Nomal        1.0         Nomalとして
Specular    1.0                   SpecularColorとして
Glossiness  1.0  ※MODOはRoughnessなので反転にチェックを入れる。

だと、現時点では考えています。
色々調べ、考え、試して導いた結果ですが、今後変わる可能性もあります。

ここから先は完全に私独自のやり方です。
MODOで個人製作だからできる方法です。

そして、Specularマップを複製し、SpecularAmountとして
各マテリアルに、とりあえずガンマを1.0でアサインします。

その結果をプレビューで確認しつつ、各素材のガンマ値を、
反射が強いと感じたなら下げて調整します。

フレネルは、純粋な金属は0%、それ以外は20~50%で差をつけています。
 例えばプラスチックなら50、銃のような表面処理をされた金属なら20という具合です。
塗られたのがペンキとかであれば50にするかもしれません。

最後に、ノーマルマップだけでは弱いと感じた質感には、
バンプで表面の細かい凹凸を加えます。

ノイズ調のプロシージャルマップを任意の細かさにしてからバンプに設定し、
バンプ強度も10um~100umくらいでうっすらとざらつきを加えます。
個人的にこれを「隠し味」と呼んでいます。

ちなみにプロシージャルを確認したいときは、
わざわざDuffuseColorに戻さなくても、
そのマップを選択してからプレビュー画面の
設定>カレントレイヤーオーバーレイで確認できます。



これを知ったときは小躍りしましたね。

ちなみにMODOのシェーディングモデルですが、
「従来」、「 エネルギー保存」、「フィジカルベース」と3種あります。

今回は、色々試した結果、「従来」に落ち着きました。

理由は、そっちの方が好みだったからです。


質感の設定が終わったら、本番レンダリングの準備に入ります。

今回は地面に置いてあるシーンで行こうと決めたので、
板ポリを敷いてコンクリートの質感にします。

それから銃を置き、板ライトの位置を調整します。

ポイントは、「パーツそのものの立体感が出ているか」です。

特にホロサイト周辺の質感は似通っているので、
それがなければのっぺりとした画になってしまいます。

画が決まれば、レンダリング設定を本番用に調整します。

赤枠で囲った部分が調整したパラメーターです。

重くなろうが、とにかくクオリティを上げたい、という設定ですから
無駄もあるかもしれません。


初期設定の数字があまりに低いので
以前は512にするだけで罪悪感を覚えたものですが、
今は最低でも2048くらいに考えています。
 
ちなみに板ライトのサンプル数も2048にしてあります。

MODO11であれば、レンダー設定のプリセットが入っているので、
そちらの方がよい結果が出ると思います。

























2017年9月12日火曜日

MODOユーザーミーティング2017 in JAPAN

9/29に開かれるMODOユーザーミーティング2017 in JAPAN
に参加することになりました。

http://modogroup.jp/2017usermeeting

時間もそれほど多くないので、モチーフはこのブログで
紹介したアサルトライフルで行う予定です。

・我々「モデリングの鬼」がモデリングを行うにあたって
 どのような部分に注意しているか

・MODOの機能を活用してどのようにクオリティを上げているか

・MODOで完結する場合のライティング、レンダリング、コンポジットについて

・実機にコンバートする際、なるべくクオリティを維持したままコンバートする方法

などをお話しする予定です。




うーん・・・結構多いな。
時間内に収まるか自信がなくなってきた・・・

2017年8月25日金曜日

スピードについて その3

スピードは、大きく分けると3つのカテゴリーに分類されると思います。

・ハードウェア
 単純にマシンの性能です。

・テクニック
 どれだけ一つのソフトを理解し使いこなせるか。
 どれだけの数のソフトを使えるか。

・フィジカル
 観察力=造形力、体力、モチベーション等、ソフトに縛られない能力。

フィジカルは、前回、前々回にグダグダと述べていたことを
ひっくり返す力があります。

モデリングは乱暴に言ってしまえば、

「頂点をいかに配置するか」 です。

例えばあるモチーフがあり、、
それを作るのに1万頂点必要だとします。

1頂点を平均3秒で正しい位置に配置できるAさんと

1頂点を平均10秒で正しい位置に配置できるBさんでは、

結果的にどのくらい差が生まれるか。

Aさん  3万秒=500分=8時間20分

Bさん 10万秒=1667分=27時間47分

結構大きな差になりました。

高速道路を走る軽自動車と一般道を走るスポーツカーが
同じ目的地を目指したら、距離が遠いほど軽が勝つでしょう。

質感にも同じことが言えます。


ハードウェアはお金で解決できます。

テクニックは、数多くという点ではお金ですし、
使いこなすという点では、すべてそうとは言いませんが、
「知る」ことで解決することも多いです。

転じてフィジカルは一瞬で解決する方法はありません。
筋肉のように少しずつ成長していくものです。

やっぱりこの業界ってアスリート業界っぽいですかね。










2017年8月23日水曜日

スピードについて その2

では、前回のスピードアップ法がどうしても実現できない場合、
どう戦えばよいのでしょうか?


 マシンスペックが低い場合。
要するに「処理スピード」が負けている。

対策

・より多くの時間を掛ける

スマホアプリの課金みたいなものです。
より多く課金した人間が有利になる。

そんな相手と戦うには、お金とは別の何かを差し出すしかありません。

それが時間です。


・一点豪華主義をとる。

 どうしても時間が掛かるのですから、
作品数を減らすしかありません。

その代わり、その一点に多くの要素がを詰め込めばいいのです。

キャラクターでありながらハードサーフェースの部分もあり、
かつ毛が生えていて、背景もある。といった具合です。

 自分のやりたいことを詰め込みましょう。



スカルプトソフトを持っていない場合。
「扱えるポリゴン数」が負けている。

対策

・スカルプトソフトを使用しなくて済むモチーフを選択する。

複雑なサーフェース情報(うろこなど)を持たないキャラクターや
ハードサーフェース系のモチーフなら、
スカルプトソフトを使用しなくても大して変わらないスピードで作れます。


・手間を掛ける

どうしても、スカルプトソフトを使用したほうが早いモチーフを
作りたい場合は、コレしかありません。

以前、私は靴の縫い目まで全部ポリゴンで作った作品を見たことがあります。
 インパクトはけっこう凄いです。

・工夫する

専用ソフトには適いませんが、大抵のDCCツールには、
スカルプトや3Dペイント機能が搭載されています。
使用しているDCCツールの機能を深く理解し、
さらにスクリプト等で作業スピードを上げるなど工夫する。



マテリアルペイント系ソフトを持っていない場合。

対策

・2Dペイントソフトで頑張る。

最初に言っておくと、マテリアルペイント系ソフトの結果を、
2Dペイントソフトで再現することは可能です。
ただし、そのためには質感に対する知識が必要になります。

質感ごとに、どのようなサーフェース情報を持っているかしっかり観察し、
できればどのくらいの反射量で、どのくらい反射がぼけるのか
といった数値化された情報を集めましょう。



逆にお勧めできない対策

・情報量を減らす

「扱うポリゴン数を減らすため」だろうと、
「手間を省くため」だろうと、ディテールを省くのは
止めた方がいいです。

モチーフがある場合はもちろんですが、オリジナルデザインの場合も、
「やればかっこいいけど面倒だな」と感じた部分はできる限り
やるべきです。「手間を掛ける」は万人にできるクオリティアップ法です。

ただし、ポリゴン数を減らすといっても、ハイ、ローモデルの差を
ノーマルマップなどでベイクした場合はこの限りではありません。
これは、ポリゴン数が減っていても、マップによって情報が
補われているからです。

テクスチャ解像度を減らすのも同様です。

作品を見る人は製作者のマシンスペックの事情など
考慮してくれません。
 
そして最後に、上記の対策は良い環境を整えられた人も
やろうと思えば実行できることを心に留めておいてください。

まだ続きます。













 
 

スピードについて その1

自主制作は楽しいですね。

デザインも仕様も自分次第。

だからこそ、どのように作るかで頭を悩ませます。

私は無機物ならModoで作り始めます。

無機物をデザインしながら作る場合、
最近はPSUB(Pixar Subdivision)を使います。

PSUBは選択したエッジにウエイトを掛ける割合で
尖らせるので、サブディビジョンモデルのように
押さえのエッジが必要ありません。

そのため、エッジを尖らせたまま、形状の変更が容易に出来ます。

エッジを選択してshift+W
割合を設定して  >クリック
これでエッジが立ってしまいます。

戻したかったら割合を0に設定すれば
元に戻ります。 

これはデザインしながら作るという点において、
相当なストレスの軽減になります。

イメージする>アウトプットの時間が大幅に短縮する
ということは、同じ時間内に出来ることが増えた
ということで、それは作品のクオリティアップと
直結します。

エッジの数も少なくて済むので、UV展開も楽ですしね。

ただし、デメリットもあります。

まず、substanceやQuixel、Mariといった3Dペイントツール
にはフリーズしてポリゴンに変換しなければなりません。

その時は、サブディビジョンをフリーズしたポリゴン数
よりも多くなってしまいます。

しかし、言ってしまえばそれくらいです。

「手数が掛かるから面倒だ」と

「データが重くなるから面倒だ」は

言葉は同じでも、意味は違います。

前者はソフトウェア系の問題で、
後者はハードウェア系の問題です。

つまり、前者はソフトウェアの発達が無ければ
根性で解決するしかないが、
( PSUBがなければブレークスルーは無かった)

後者はマシンのスペックを上げるだけで解決できる。

ということは、「誰でも」解決できる問題とも言えるわけです。

ハイスペックのマシンを持てば、

・扱えるポリゴン数の上限が上がる

・扱えるテクスチャ解像度が上がる

・レンダリング時間が短縮される

制限速度の無い道路があったとすれば、
高性能な車の方が、一定時間内により遠くまで進めます。

 特に学生さんは、限られた時間のなかで
どれだけのことが出来るかが勝負ですから、
より切実な問題でしょう。

ソフトウェアは基本的に皆同じですが、

ハードは個人差があります。

ですから、ハイスペックのマシンを持っていると
シンプルに有利ですよ、という話です。


実はもう一つ有利な点があります。

・要求スペックの高いソフトが使用できる

以前はDCCツール一本と2Dペイントソフトのみで十分でした。

先ほどソフトウェアは基本的に皆同じと書きましたが、
今は事情が違います。
 
学生さんの作品は、アカデミック版のあるソフトしか
使用してはならない、という決まりはありません。

 ですから、アカデミック版の無いソフトを使用できるか
どうかで、またスピードに差が生まれてしまうのです。

それは、スカルプト系ソフトと3Dペイント系、
マテリアルペイント系ソフトです。


高性能ハードと高性能サブツールの両方を揃えた人は、
格闘ゲームでいえば、最強クラスのキャラを選択した
みたいなものです。

では、揃えられない人はどうすればいいのでしょう。

次回は、その対策を述べます。

















2017年8月3日木曜日

アサルトライフルを作る その3

モデルが完成したら、UVを展開します。

UVはどのようにテクスチャを描くかで開き方が変わります。
大別すると、

連続性を優先するか、

比率を優先するか、です。


上が連続性を優先した開き方で、
下が比率を優先した開き方です。

オレンジ色のエッジが繋がっているエッジになります。

連続性優先だと、繋がっているエッジは多いですが、
天面以外の面が歪んでしまっています。

比率優先だと、面は歪んでいませんが、
側面のエッジはすべて繋がっていません。

これらをパーツによって使い分けるのですが、
私はハードサーフェース系なら、基本的には比率を優先し、
歪まずに繋げられる所は繋げる、といった感じです。

特に文字や円などをノーマルマップで追加する場所などは、
歪みが全く無い状態にしないと苦労することになります。

連続性を優先するのは、コインのような丸くて薄いパーツなどでしょうか。

全てのパーツが展開し終えたら、UVの整理に入ります。


下段の2タイルがライフル本体のUVになります。
左側が茶色いプラパーツで、右側がそれ以外の素材のパーツです。
また各素材もなるべくまとめてあります。

テクスチャ解像度は

ライフル本体 4096 ×2
ホロサイト、ブースター、マガジン それぞれ 2048で作成しました。

UVタイルレベルでの面積比はライフル2タイルは揃えましたが、
それ以外は揃えずに、なるべく面積を無駄なく使うことを優先しました。

タイル内においては、各パーツのUV面積比は、
なるべく揃えるのが基本ですが、
あまりに小さくなってしまうパーツがあれば
少しだけ大きくしたりしています。

UV展開が終了したら、Quixelでノーマルマップを作成します 。

Photoshopのシェイプやテキストを活用してノーマルマップを作成します。

ディテールの殆どをモデルで起こしてしまったので、あまり作る箇所はありませんでした。


赤枠で囲った部分がノーマルで追加したディテールです。

滑り止め加工はノイズを作成してノーマル化

刻印はテキストをノーマル化

それ以外は丸や四角といった単純な形を組み合わせた画像をノーマル化しました。

この時UVが歪んでいると大変苦労、というよりUVを修正してやり直しになります。


サイトのノーマルで追加したディテールです。

ボタンの矢印はシェィプからです。
唯一浮き彫りなのにノーマルで対応した部分です。

パーティングラインは輪郭が少し乱れるブラシで細い線を描いてノーマル化。
パーティングラインはあるなら絶対にやった方がいいディテールだと思います。

ノーマルマップの作成が終わったら、テクスチャの作成に入ります。
これもQuixelで行います。

QuixelやSubstanse等のマテリアルペイント系ソフトは、
テクスチャを描く、というより、「生成」もしくは「選択」といった方が
正確かもしれません。


ここで重要なのが、ベースにどのマテリアルを選択するか、です。

そのモチーフに使われている素材が何なのか、知識として知っておかなければ、
余計な回り道をすることになります。

また、この種のソフトはAmbientOcclusion、nomal、curvatureといったマップから
汚れやキズを生成してくれますが、たとえばエッジのキズなどは
検出された全てのエッジに満遍なく入ってしまうので、どこがキズ付き易いのか
といったことを考えながら調整する必要があります。

今回はそれほど使用されていない状態をイメージして調整しました。
 


また、ロゴマークや注意書きは別に作成して追加します。
必要があればキズや擦れを追加してなじませます。


テクスチャ作成が終了したら、各種マップを書き出します。
 今回はPNGで書き出しました。









これらをMODOに読み込んで質感を設定します。